信州飯綱町 工務店社長のおもいつき日記

地域活性化工務店という業態を目指して奮闘中のツチクラ住建土倉が、ゆる〜く書いてます。

この仕事をする幸せ

住宅建築はクレーム産業だという人がいます。
特にウチのような中小工務店はモデルハウスや展示場を持っていないので、完成形をお客様に示すことができません。その辺のイメージの食い違いや、材料の選定の不備などでクレームになることもあります。以前にお客様との細かい行き違いが重なり、深刻なクレームになったことがありました。深刻というのはお金を払っていただけないということです。そればかりか、気に入らないから持って帰ってくれとまで言われたこともありました。そんな時はこの仕事をやめたくなります。高額商品で長く残って、返品を受けることができない。1回作ってしまったらちょっとやそっとでは無くならないのです。そういう時は、飲食店のような、売り物がすぐ消えてしまうような商売って、後々のこと心配しなくていいなと。いっそのこと商売替えしようかななんて思ったりもします。でも、そんなことが何回かありながらも、今もこうやって工務店経営を続けています。


なんで?


そんなクレームがあっても、より多くのお客様の“ありがとう”が聞けるからなんです。
お客様は完成形を見ないで契約してくれます。そりゃ図面とかプレゼン資料はありますが、あくまで実物ではありません。そんな状態でも、この会社、そして私という人間を信用して契約してくださるのです。その結果、予想より格段に出来が良いと、お客様は心から“ありがとう”を言ってくださいます。その“ありがとう”が聞きたくて、なんとしても期待に応えたくて、私たちは住宅建築の仕事をしてるといっても良いでしょう。
1回作ってしまったらちょっとやそっとでは無くならない。この事実、そしてそれに伴う責任に押しつぶされそうになることもあります。でも、私たちはそれを振り払って、精一杯の心を込めて家をつくっています。


お客様の“ありがとう”が聞きたくて…。


昨日、同業の社長さんと話す機会があって、この仕事に対するネガティブな感情を聞いてしまいました。
それに対して、私はなんでこの仕事を続けてるのかなって考えまして、こんな結論になったと…そんなことなんです。