信州飯綱町 工務店社長のおもいつき日記

地域活性化工務店という業態を目指して奮闘中のツチクラ住建土倉が、ゆる〜く書いてます。

本質を見極める

先日ご招待で、大宮で開催された東京ガスのフェアに参加してきました。オール電化専用のファースの家が売りの私が何で参加したのかと言うと、ガスによる発電システム…エコウィルに興味があったからです。


中部電力管内ではLNG火力が発電量の約4割を占めています。これを高圧線で送電すれば送電ロスが出る。同程度の効率の発電設備が各家庭の近くにあれば、送電ロスが無い上に廃熱を利用できるので非常にエコです。現状では廃熱の有効利用先が給湯ぐらいなので、電気をバンバンおこすってとこまでいかないのがおしい。それでもこれからだんだんと発電効率も良くなっていくんでしょうね。楽しみではあるのですが、ウチの辺りのように都市ガスが入っていないところは、プロパンじゃ厳しいんだろうなって…そこいらあたりも残念なところ。それでも燃料電池も含めた、電気と熱を両方取り出すコジェネレーションシステムはこれから注目です。


さてそこまでは良かったのですが、その後のガスとIHの比較コーナーを見てちょっとがく然。あんまりな比較の仕方。
火が無くて安全だと言うが、十分火傷するとか、鍋を急激に熱するとすぐになべ底が歪んでセンサーが働かなくなって発火するとか、そりゃそうでしょうけど、そこまで過酷にテストしなくてもねえって感じです。
また、話が電磁波に及ぶとWHOの結論は出ていないと言うものの、イギリスでは子どもに携帯電話を持たせてはいけないことになってるとか、アメリカでは高圧線のそばには学校を作れないとか、それはみんな事実でしょうけど、電磁波はその周波数によって著しく性質が異なるというのは周知の事実。それを、20キロヘルツ程度のIHクッキングヒーターと50〜60ヘルツの高圧線、そしてギガヘルツ帯の携帯電話を同一線上で比較するのはいかがなものかと思うのですがね。


実際の調理をするコーナーではもっと作為的な操作がありました。同条件という事で、オールメタルのIHを使って、同じアルミのフライパンで調理をするのです!オールメタルといっても、アルミ製鍋を使用すれば、その性能は60%程度に落ちます。それを同条件として、IHは調理に時間がかかると結論づけるのは、まあウソでないにしても、真実ではないですよね。


ファースの家がオール電化専用なのは、すき間を無くして換気量を管理してるので、家の中に燃焼するものがあると、換気量を相当多くしなくてはならないからです。多くしなければ火が消えてしまう。多くすれば省エネにならない。だから使い勝手がどうこういう前に使えないのです。最近ガス瞬間湯沸かし器での事故が多発してるようですが、これも、もともとすき間だらけだった家が、最近になって気密性を良くしちゃって、湯沸かし器燃焼時の酸素が十分に供給できなくなっているからみたいです。それを湯沸かし器メーカーのせいにするのも気の毒な気はしますが…。それとおんなじで、酸素を大量消費し、水や二酸化炭素を大量に放出する開放型の燃焼機器即ちガスコンロは現代の気密性能の高い住宅内部では使うべきではないのです。


そう言いながら実は私、業務用大容量のガスコンロとかあこがれです。将来家を建てる事があるとすれば是非導入したい。用途はアウトドアクッキングのため、ダッチオーブンや薫製の出来るものが欲しいので、これは外部の空間に欲しいです。下屋空間に土間コン床で、そこにでっかいテーブル置いて。ただ、普段居住する空間はコンパクトに省エネに…。そんな家が理想です。普通に住んでいる時はなるべく環境負荷を小さくしかも快適に住みたいものです。


今日は何が言いたかったのかというと、ガス会社の言い分、電力会社の言い分それぞれ聞いた上で、会社の営業的なフィルターを冷静にはがしながら、本質を見極める消費者でありたいという、ちょいと硬めなお題でした。
地球が人間に優しくしてくれるような住み方を目指しましょう。