信州飯綱町 工務店社長のおもいつき日記

地域活性化工務店という業態を目指して奮闘中のツチクラ住建土倉が、ゆる〜く書いてます。

家相

住宅建築を生業としている以上、避けては通れないものに家相があります。そもそも家相というものは、先人の経験の積み重ねから、こんなふうに家を造ると建物の傷みが早かったり、住む人の健康を損なう可能性がありますよ的な、まさに知恵の産物であったはずです。ですからそれを尊重することは決して意味のないことではないのですが、家の作り方や諸設備の構造等はこの20年ぐらいで大きく様変わりしている中で、従来の家相をそのまま準用することもどうなのかなって思っています。


実は私、個人的には家相というものを全く重要視しておりません。自分の家もいよいよ建てるときになって気が変わって向きを90度変えるなんてことをしましたので、全くこだわってないのです。方角を正確に把握し、図面の上に家相盤をのせて鬼門にかかってないかシビアに見なくても、日当たりと風の通りを検討すればそれで十分と思っております。


しかし、ことそれがお客様のことになると様相一遍。一応家相については気にするのかどうなのかはまず確認するところですが、最初の段階で気にしないとのことで、考慮なしで設計をしていると、たまに親戚や知人から指摘を受けて急に気にし出すお客様もいらっしゃいますので気は抜けません。そしてこの家相というもの、いったん気にし出したらとことんまで付き合わないと、大変なことになります。新築後たまたま家族に病気やけががあったりすると、必ずそこに原因を求めますので、いったんやり出したら、お客様が完全に納得するまでやり尽くさないといけません。


私は今まで家相盤ひとつと、参考書2冊。それと近所で有名な家相の先生直筆になる注意書き1枚。これで検討を加えて参りましたが、今回家相へのこだわりが非常に強いお客様に対応するべく、もう1冊仕入れました。下記の本ですが、最初に書きましたように設備が変化し、家の作りも変化してる中で家相のとらえ方も従来のままで良いのかという疑問に対して、何らかのヒントがないかなと思って購入しました。従来の家相をそのまま適用することはいくらでも可能なのですが、そのために無理なプランニングとなり、使い勝手が悪い家になったり、不必要に大きくて効率が悪い家になったりするのは私の本意とするところではありません。抜け道を探す訳ではないですが、家相の持つ根源的な意味合いを解釈し、実質的に吉相となる家を創りたい。そう思っております。

プロのための家相マニュアル

プロのための家相マニュアル