信州飯綱町 工務店社長のおもいつき日記

地域活性化工務店という業態を目指して奮闘中のツチクラ住建土倉が、ゆる〜く書いてます。

価値

この建物、2007年の新潟県中越沖地震で被害を受け、その後使用されていない飯綱町役場三水庁舎です。当時この建物を役場庁舎として使用し続けられるか検討するため、依頼を受け壁を一部はいでみました。すると柱や筋交いの下部が完全に腐ってなくなっており、びっくりした記憶があります。その辺を根拠にその後は使用されていなかったのですが、このほどこの庁舎の取り壊しが決まったようです。


ただ、この建物は旧三水村庁舎として愛着のある方も多く、ぜひ保存をという声が上がってもいます。理屈で考えるとこの建物を健全な状態にして保存するのは、構造の状況から考えて相当な費用がかかるので、合理的とは言えないのですが、ふるさとの原風景として残したいということであれば、効率とはまた別の部分で考えなきゃなりませんね。


そう言えばこの建物、建築士会への委託で近代化遺産としての調査をしたことがあるんです。あっちの方だから土倉さんお願いねってことで簡単な調査報告をしましたが、その後近代化遺産に登録されたとかいう話も聞かないので、現状第三者的なお墨付きは無しみたいです。
あとは、住民の残したいという気持ちとその利用方法、それと費用の問題ということになりますが…。