信州飯綱町 工務店社長のおもいつき日記

地域活性化工務店という業態を目指して奮闘中のツチクラ住建土倉が、ゆる〜く書いてます。

新築祝

今日は昨年末に引き渡したお宅の新築祝がありました。
地域性もあるかと思いますが、こちらで新築祝といえば大体お寺さんに来ていただいて、法要を兼ねた形で行います。地鎮祭はほとんど神主さんにやっていただくのに、変ですよね。事例は少ないですけど、お寺さんの地鎮祭も、神主さんの新築祝いも経験ありますので、ますます不思議です。
まあ、その辺の疑問はさておき、今日もお寺さんが2名参加して法要を行い、その後は場所を変えて宴席でした。


この宴席は北信流と呼ばれる作法に則って、亭主役という司会進行役によって進められます。
まずは施主あいさつ。引き続いて建築屋(つまり私)からお祝いの言葉。そしてお寺さんの発声で乾杯。ここまでは普通かなって思いますが、その後が北信流の面白いところ。
乾杯のあと30分位すると、お寺さんが私に耳打ちをします。そろそろどうです?と。これはつまり、北信流独特のおさかずきごとをやりましょうということなんですが、私が了解して立ち上がり、しゃべりはじめます。
「ご当家に対して、お喜びのおさかずきを差し上げたい。」
そうすると、出席者から拍手がおこります。賛同を得られたということで、
「ご指名も一任願いたい」
ここでまた拍手。つまり、おさかずきを誰から誰に差し上げるのか、その指名もまかせて欲しいということで、今回はご家族と亭主役さん計5名を指名させていただきました。そうすると差し上げる方はさかずきを空にして相手方に渡し、お酌をします。お酌をし終わったところで、ここでお肴をつけます。これが一番独特といえば独特なのですが、お肴って言うのは食べ物じゃなくて、謡曲だったりするわけです。指名のときにお肴をつける人も指名しておきます。今回は謡曲のあとに木遣りを付けました。お肴が終わると、杯を受けた方は酒を飲み干しもう1回お酌を受けます。
その後は、受けた方から改めてということで、今度は逆にこちらで杯を受ける側となり、同様にお肴をつけてお酌をします。


これが終わると、またしばらく宴が続きます。


宴も終盤になってくると、今度はおつもりのさかずきというのを亭主役さんに差し上げます。これは、もう沢山いただきました。お酒はもう結構ですので、ごはんを出してください。という意味あいのものです。
おつもりは最近省略される傾向がありまして、最後の万歳でおつもりを兼ねるというような場合があります。今回もそんな流れでした。


万歳が終わればもう宴席は実質終了なのですが、ここで亭主役さんの決まり文句が出ます。
「万歳は散会の意にあらず」
まだまだ飲んでいってくださいということなんですが、主賓であるお寺さんと私たちが帰らないと、その他のお客様が帰れないので、通常早々においとますることになります。


新築祝いの話が、北信流の解説になってしまいました。


今日は宴席の中で、ファースの家の自然な暖かさが語られる場面が多く、私にとっても非常に嬉しい新築祝となりました。