信州飯綱町 工務店社長のおもいつき日記

地域活性化工務店という業態を目指して奮闘中のツチクラ住建土倉が、ゆる〜く書いてます。

経験がモノを言う

今日午前中会社で仕事をしていたら一本の電話。休みの日のこういう時間帯に電話が来る時は、何らかのトラブルの場合が多いのです。電話を取るとやはりお客様。温水器の安全弁から水が噴き出しているとのこと。

ここで電気温水器の構造に触れておかなければなるまい。
今やエコキュートに取って代わられつつある深夜電気温水器だが、まだまだ現役で稼働しているお宅は多い。温水器の水圧は法律で制限されているので、タンクに入る給水管には減圧弁と呼ばれるものがついている。これによって水圧を調整しタンク内の圧力が規定範囲を超えないようになっている。しかし万が一減圧弁が壊れて高い水圧が直接かかってしまったら、最悪タンクが破裂する可能性もある。そこでそうならないために、タンク内の圧力が異常に高くなった時にその圧力を逃がすのが安全弁である。

お客様曰く、ゴボゴボと音を立ててお湯が出てしまい、もう水だけになってしまったとのこと。そこで温水器に入っている給水のバルブを閉めたのだがまだゴボゴボいっている。そこまで聞いて閃いた!
「全自動の洗濯機つながってませんか?その蛇口をお湯水両方閉めてください」
かくしてゴボゴボは止まりました。


解説します。
先に説明したように、温水器のお湯は減圧弁により減圧されているので、水よりも圧力が低いのです。通常はまったく問題ないのですが、全自動洗濯機を使ってぬるま湯で洗濯したい時、混合水栓(蛇口)のお湯と水を両方開いて温度を調整しますよね。そうすると洗濯機に給水されている時以外は、お湯と水の配管が蛇口をとおしてつながってしまうのです。普通洗濯機用の混合水栓には逆止弁といって逆流しないような弁が付いているのですが、ここにゴミが挟まったりすると機能を果たさなくなる。そうすると圧力が高い水がお湯の配管に入っていって、温水器の圧力を上げてしまう。規定範囲より上がってしまった水圧により安全弁が作用し、そこからお湯が全部出てしまうというカラクリです。


普通温水器から水が噴き出してる原因が、洗濯機にあるなんて想像できないと思うのですが、過去に経験あると“ピン!”と来ちゃうんですね。われながら鮮やかな対応でした。
工務店経営してりゃ、このくらい普通…ですかね?σ(^_^;)