信州飯綱町 工務店社長のおもいつき日記

地域活性化工務店という業態を目指して奮闘中のツチクラ住建土倉が、ゆる〜く書いてます。

自然には逆らえん

第二回霊仙寺湖薪能、翌日の片づけを終えて帰宅しこれを書いています。

いや、それにしても昨日はまたドラマがありました。


天気予報では3時ごろから小雨が降りそうな感じ。今年は雨天時の会場を町民会館(霊仙寺湖から4キロほど)に設定しておりましたので、5時開演から逆算するとやはり3時ごろには結論を出さなければいけない。また今年もギリギリの決断をしなくてはならないのかと、やきもきしながら準備をこなしていました。ちょっとでも状況がよくなればすぐ決断できるのだが…と思いながら、10分おきに携帯電話でピンポイントのお天気情報を見て過ごします。


雨の予想と言っても全て1ミリ以下なので降っても小雨。このままならいってしまえと思っていた矢先、2時過ぎ頃だったでしょうか。天気情報に変化がありました。んん?4時〜の降水量24ミリ!!えええっ?こりゃ土砂降りですよ!どうするの?3時に結論出さなきゃいけないのに!


焦る私。午後の準備は2時集合でしたので、スタッフが続々集まってくる。ますます焦る私。


実はウチのお客様に日本気象協会にお勤めだった方がいらっしゃいます。すがる思いで電話をすると、電話番号を教えてくださり、そこには気象レーダーを常に見ている方がいられるとの事。お客様の名前を出すと親切に教えてくださいました。確率は高いものの、まだその雨を降らせる雲は発生していない状況との事。それではと、もう一度携帯の情報にアクセスするとさっきより降水量が減ってる。時計を見ると2時55分。近くにいる役員に、「やるよ」と言いながら、ハンドマイクを持って会場入り口へ。外に向かって予定通りこの会場で公演を行う旨発表しました。拍手がおこりました。


とは言っても確率がゼロになったわけではない。開演までに1回ぐらいは夕立がありそうだなって覚悟しておりました。


3時半をまわると開場を待つお客様の列がかなり伸びてきました。予定より15分繰り上げて3時45分開場。どんどんお客様が入場してきます。4時半頃には半数以上の席が埋まってきました。
進行の打ち合わせをしながら慌ただしい時を過ごしました。予定通り5時丁度の開演を決定。開演のきっかけを出すために、舞台横で待機。あと3分で開演という時でした。


うん?ぽつぽつと雨が…。一気に雨足が強くなります。数百人のお客様が避難するところもなくずぶぬれになっていきます。ここでタイムリーに案内放送しなければいけないところですが、頭が混乱。取りあえず一時避難してくれと言うのが精一杯。なんてこった…。このまま降り続けるような事が無ければ良いが…。気象協会に再び電話をするも、しばらく不安定な状態は続くとの事。心臓バクバク。自然現象の前に為す術がありません。


15分ほど経ったでしょうか。雨足が弱くなってきました。それと同時に先ほど殆ど避難されていたお客様が、こちらの案内を待たずまた戻ってきました。これはやれるという事だな…。舞台上の水拭き作業をお願いして、各所の状況確認。5時45分の再開を決定し。各所に避難しているお客様に伝令を飛ばす。いったん家に帰った方もいらっしゃるという事なので、役場にお願いして全町に放送を流してもらいました。


45分遅れの開演。お客様はほぼ戻ったようでした。その後は少々霧雨があったものの、大きく崩れず順調に進行しました。火入れ式。町内御所之入の獅子舞。休憩を挟んで狂言「棒縛」能「天鼓〜弄鼓之舞」と続きます。


最後は漆黒の背景に映える幻想的な舞で、場内に感動を呼びました。終了8時15分。特に演目を端折る事なく、45分遅れの開始ながら、終了は5分押しで止めました。


それにしても、自然は全く一筋縄ではいきません。あれだけハラハラしながら、結局最後は大成功。昨年にも増して記憶に残る薪能となりました。びしょ濡れになりながらも、文句を言うお客様が1人もいなかったのは感激です。昨年の雨で皆さんが学習したのでしょうか。自然も人間も、厳しくもあり優しくもありですね。


ご理解のあるお客様と、大勢のボランティアスタッフ、そして出演された皆様。全ての方に感謝です。
イベントの日記なのに、写真が無いのがさびしいですが、また入手できたら掲載します。私カメラ持ってなかったもので…σ(^_^;)