信州飯綱町 工務店社長のおもいつき日記

地域活性化工務店という業態を目指して奮闘中のツチクラ住建土倉が、ゆる〜く書いてます。

不思議な現象

20数年前に建築された住宅の内部リフォームの仕事をいただいたお宅なんですが、どうもかなり傾斜してるようなので…という西村君の話で、現場を確認に参りました。すると確かに傾斜してる。それも、今まで経験したことの無いくらい。レーザーレベルで確認したところ、何とひどいところでは一部屋のあっちとこっちで5センチも傾斜してる。びっくりしました。どうりでそこに立ってるだけで何となく気持ち悪くて…。


で、それ以上に不思議だったのが、ここまで傾斜していながら基礎はどこを見ても非常に健全な状態。ここまで傾けば大きなクラックの入っているところぐらいありそうなものですが、それが全くない。それどころか。ほとんどのお宅で入っている床下換気口の角すら全くひびも入ってない、本当にしっかりした基礎なんです。ということは、考えられるのは、基礎が一体のまま沈下してるということ。敷地全体が超軟弱地盤の時に見られる現象でしょうか。
以前、中越地震のときに、もともと田んぼだったところに建てた家がほぼそのような現象を起こしておりました。基礎は一見健全なのですが、地震で揺すられて上部構造は壊滅的被害。建物の傾斜は階高で10数センチにも及びました。今回それに近い感じです。傾斜は建物の重量の差によって起きている感じで、2階部分が載っているところが大きく沈んでいるようです。


さて、これを直そうと思うと、結構大規模な工事になりますね。考えどころです。沈下は現時点で安定してるという確証が得られれば、こちらとしても安心感あるのですが。これから改修して新たな荷重をかけた時の反応が気になります。いずれにしても、現況の記録が大事。その上で方針を決めましょう。