信州飯綱町 工務店社長のおもいつき日記

地域活性化工務店という業態を目指して奮闘中のツチクラ住建土倉が、ゆる〜く書いてます。

クレーム(2)

  • 昨日の続き

そこで次に疑ったのがこのお宅の形状。通常の家と違って屋根の軒が出ていないのです。パラペットと呼ばれるビルの屋上のような形状。最近外壁にサイディングを張る時には、通気工法といって、外壁材の裏側にすき間をあけて、空気が流通するような構造をとります。そのすき間部分の空気は軒天といって屋根の先端の裏側の部分に通気孔を設けてそこから排気するのですが、今回の場合はその軒天が無い構造です。パラペットのてっぺんには笠木と呼ばれるアルミの部材が取り付けられているのですが、その部分には排気出来るすき間はほとんどない。
昨日外壁黒と白では、日射による表面温度の差は30度に達すると述べました。その温度が外壁材の裏側に達し、表面と違って塗装を施していない裏面の水分を急速に奪い変形に至ったのではないかと考えました。この条件で考えると、現在ヒビの入っている状態も説明がつきます。
そこで、今回裏側の熱気を有効に排出出来るよう、笠木を改良し、変形によって力が集中しやすい部分の施工方法を変え、来週から工事にはいります。
クレームの原因については複合的な要素がからむことが多いです。今回は、これで間違いないと推測しているのですが、気は抜けません。工事中に得られた情報を即座にフィードバックしていくつもりです。